ノベルティの歴史
日本で初めてノベルティに相当する物が出てきたのは、江戸時代の中頃です。あちこちのお店が客寄せのために「引き札」という物を無料で配り始めました。その内容は今で言う「セールのチラシ」のような物だったのですが、当時の庶民は大喜びでこれを受け取り、中には家に飾っている人もいました。
なぜなら、引き札は当時では珍しい「印刷物」だったからです。今でこそ当たり前に見かける印刷物ですが、その頃の庶民にとっては大変貴重な物、まさに「Novelty(珍しい物)」だったのです。
さらに、そこには浮世絵師などの絵も描かれており、これが無料で手に入るということで大勢の客が集まったのです。家に飾られていた引き札というのは、おそらく今で言うポスターのような感覚だったのでしょう。
やがて時代は変わり、引き札もクリアファイルやメモ帳、ペンなどに姿を変えました。
どれもありふれた物ではありますが、しかし「入手時期の限られた非売品」という部分に価値を感じる人々もいます。
人気のあるノベルティは高値で取引されることもありますし、普通の物であってもノベルティをもらうとなんとなくうれしい、という人は多いのではないでしょうか。
そういう意味では、時代が変わってもノベルティが「珍しい物」であるということは変わっていないのかもしれません。