年末イベントでもらえるカレンダー
もう、数年前になるのですが、地元の商店街で秋のイベントがあった時です。
私がよく通う喫茶店もこのイベントに参加されていましたが、この喫茶店もイベント用としてノベルティを配っていました。それは小さな卓上カレンダーです。
ノベルティとしては珍しいなと思ったのですが、卓上カレンダーは、良く仕事の取引先からももらうこともあって、特段、驚くことでもありませんでした。しかし、家に帰って家内が「これ、すごい!」とうなっていたのです。「何が?」と思ったのですが、卓上カレンダーのデザインがすごく良かったのです。
カレンダー自体は既成品のようでしたが、それに折り紙の切り貼りのデザインが細かく貼ってあったのです。4月であれば桜の切り貼り。10月であれば紅葉で赤く染まった紅葉の葉。そんな感じの切り貼りを毎月のページに細かくたくさん貼ってあって、みごとな出来映えでした。すごく手の混んだノベルティなのですが、半ば手作り感満載の卓上カレンダーでした。近所の方ももらっていたのですが、手作りのために一つ一つのデザインが違っていることも趣があっていいものです。
使い終わったらカレンダーを処分するにはあまりにももったいなくて、今でも私の部屋に飾っています。
ジーンズ屋の年末イベントで、卓上カレンダーをノベルティとしてもらいました。シンプルなデザインで書き込みやすそうな物でしたが、私が普段使う机といってもダイニングテーブルですので置いても邪魔になるだけです。何かいい使い方がないかと考えてみました。
その頃、まだ子どもが小中学生で何かと学校に行く機会があり、PTAの役員やクラスの委員を引き受けることが多くありました。委員会や集会などの予定を決めるとき、ノベルティでもらったカレンダーを持ち歩き、そこに記入するようにしました。
家族の予定は壁掛けのカレンダーに書き込んでいるので、卓上カレンダーの方は私の個人的な予定のみ書いていました。細長い形の手帳に比べれば四角い形ですがなかなか使い勝手が良かったです。紙がしっかりしているので、バッグの中で折れるようなこともありませんでした。
手帳を買ってもよく使うのはスケジュールの欄だけで、後ろの方のついている自由に書き込めるページはほとんど使わないことが多いのです。
卓上カレンダーを手帳代わりに使うのはいいアイデアだとひそかに自画自賛していましたが、中学での保護者会で同じような使い方をしている人を見たことがあります。考えることは同じなんだとおかしくなりました。
1年分、12の世界のお城が載っているカレンダーを銀行の年末キャンペーンのノベルティとしてもらいました。写真は美しく見ているだけで楽しくなります。
海外旅行に行くことはまずありませんので、せめてカレンダーでも見れば世界を旅する気持ちになれるかもと思ったのです。
世界を旅した気持ちにはなりませんでしたが、いつかはこの国に行ってお城を見てみたいと思うようになりました。忙しい日常の中で夢や目標を忘れていたことに気が付きました。
考えてみれば、子ども時代や若いころは、「ああしたい」「こうしたい」ということがいっぱいあったように思います。結婚して子どもができて、気が付いたら目の前しか見ていないようになっていました。今夜の夕食のこととか、明日の子どもの予防接種とか、来週の参観だとか。
母であり妻であると同時に、私は私という一人の個人なのだから夢や目標を持って当然なのです。家族と一緒の夢や目標はすばらしいことですが、自分だけのものがあってもおかしくないのだと思うようになりました。
銀行にもらったノベルティのカレンダーのおかげで気が付いたことは、ほんの少し立ち止まって考えたり、家族以外のことに思いをはせることも大切だということです。